国際評価技術

台風による太陽電池パネルの被害に注意

本件の概要

報道発表資料

発表日:
令和6年8月15日(木)
 
タイトル:
台風による太陽電池パネルの被害に注意
~事故の8割が太陽電池発電所で発生~
 
発表者名:
独立行政法人製品評価技術基盤機構 国際評価技術本部
 
資料の概要:
 独立行政法人 製品評価技術基盤機構[NITE(ナイト)、理事長:長谷川 史彦、本所:東京都渋谷区西原]は、電気事業法に基づく電気工作物に関する事故情報データベースを用いて、2020年度から2022年度の3年間に発生した台風による電気事故を分析しました。その結果、9月に台風起因の自家用電気工作物の事故、特に太陽電池発電所の被害が集中して発生していることが明らかになりました。
 なお、8月16日~17日にかけて強い勢力を持つ台風7 号が関東~東北にかけて接近、または、上陸するおそれがあると予報されているため、緊急に注意喚起を発します。
 台風が到来した場合、その大雨や強風により、電気設備に事故をもたらすことがあります。設置者及び電気主任技術者におかれましては、台風が到来したとしても、被害を最小限に抑えられるように、「発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令」等に基づき、予防点検や水没対策、飛散防止対策等、事前の備えをしておくことが大切です。

■台風接近前の事前対策として
①最新の気象情報を確認の上、災害時の緊急連絡体制や設備の運用方法について決めておいてください。
②大雨による被害が想定される場合
・電気設備が浸水しないように、構内及び周辺の側溝や排水口の掃除を行い、水はけを良くしてください。
・「発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令」の第五条のとおり、「支持物を土地に自立して施設する場合には、施設による土砂流出又は地盤の崩壊を防止する措置を講じ」てください。
また、電気設備の周辺にある崖や法面が豪雨によって土砂流出するおそれがある場合には、補強工事や防護壁の設置、排水ルートの確保などを検討してください。崖や法面に崩壊の兆候が見られる場合には、土地所有者・管理者、自治体へ通報してください。
③強風による被害が想定される場合
・太陽電池パネルを固定する金具や、架台の接合部のボルトが緩んでいないかどうか点検してください。 また、架台を固定する杭などがきちんと埋まっているかについても点検してください。敷地を越えて数百メートル飛散した事例もあります。
・巡視等により、太陽電池パネル、架台、集電箱、パワーコンディショナや受変電設備など屋外の電気設備の破損や部品の外れがないかどうか確認してください。また、既に破損したパネル等も含め、飛散が懸念される電気設備や部品についても固定するなどの飛散防止措置を行ってください。

■台風通過後の事後対応として
①電気設備の臨時点検の実施
・台風通過後は、速やかに設備の臨時点検を行い、異常の有無を確認してください。
・電気事故又はその疑いがある場合には、当該地域を管轄する産業保安監督部に報告してください。
②迅速な応急処置の実施
 設備の被害が認められた場合は、できるだけ速やかに応急処置(破損した電気設備の撤去、銅線が露出した電線の保護等)を行ってください。
③被害が生じた設備の修理・改修の実施
・被害が生じた設備は安全が確認されたのち、適切に修理・改修を行ってください。
・架台の強化や、設置位置をこれまでより高い位置に変更する、排水ルートの改善等が考えられます。
④二次被害の防止
・破損、浸水した太陽電池パネルや集電箱、パワーコンディショナ、断線したケーブル等に接近すると感電すおそれがあります。そういった設備によって、第三者(公衆)が感電、けが等の二次被害に遭わないように対策をお願いします。
・被害の対処にあたっては、電気主任技術者等の太陽電池発電設備に充分な知見のある方が作業を行うようにしてください。

 

 

太陽電池の架台のボルトの緩み例(イメージ図)
太陽電池の架台のボルトの緩み例(イメージ図)

 

杭が必要な深さ埋まっていなかった事例(イメージ)
 杭が必要な深さ埋まっていなかった事例(イメージ)

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お問い合わせ

独立行政法人製品評価技術基盤機構 国際評価技術本部  電力安全センター
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