ミレニアムプロジェクト「完全長cDNA※1構造解析事業」
本事業は、日本の先行技術と言われる完全長cDNA取得技術(オリゴキャップ法※2)を活用し、遺伝子技術の産業化に必要な基盤整備を行うことを目的としたミレニアムプロジェクト(平成11~13年度・NEDO事業)で、へリックス研究所等が取得したヒト完全長cDNAライブラリーについて末端部分配列の決定を行い、その中から新規クローン約3万個を選別し、全塩基配列を決定した事業です。
NITEは、平成12~13年度において、ヒト完全長cDNAライブラリーの150万クローンのうち92万クローンの5’末端の部分配列を決定しました。
また、得られたクローンはバイオテクノロジー開発技術研究組合より寄託を受け、生物遺伝資源部門(NBRC)より分譲を行っています。
関連論文
Complete sequencing and characterization of 21,243 full-length human cDNAs.
- (※1)cDNAとは…
- mRNAを鋳型として逆転写酵素により作られるDNAで、mRNAと相補的な塩基配列を持つことから、相補的DNA(complementary DNA; cDNA)と呼ばれます。
また、cDNAのうち、遺伝子部分に相当する塩基配列がそのまま完全な状態で取得できたものを「完全長cDNA」といいます。
完全長cDNAクローンの塩基配列を決定することにより、遺伝子の全エクソンの配列が明らかとなります。この配列情報は、ゲノム上の遺伝子の構造を確定すると同時に、遺伝子がコードするタンパク質の1次配列も確定するための重要な情報となります。 - (※2)オリゴキャップ法とは…
- オリゴキャップ法は、3段階の酵素反応によりmRNAの5’末端に存在するキャップ構造を選択的に合成オリゴRNAに置換する方法で、東京大学医科学研究所の菅野先生らによって開発されました。
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