本事業で開発した化学物質分解菌
- 好気性トリクロロエチレン分解菌 Rhodococcus jostii RHA1 (=NBRC 108803)
- 嫌気性塩素化エチレン脱塩素菌 Dehalococcoides mccartyi UCH007
好気性トリクロロエチレン分解菌 Rhodococcus jostii RHA1 (=NBRC 108803)
好気性トリクロロエチレン分解菌 Rhodococcus jostii RHA1 (=NBRC 108803)
Rhodococcus jostii RHA1株(=NBRC 108803)はポリ塩化ビフェニル(PCB)の分解菌として、長岡技術科学大学福田雅夫教授らのグループにより精力的に研究が行われています。
RHA1株は、PCBの他にもトリクロロエチレン (TCE)、ジクロロジフェニルジクロロエチレン(DDE)、ベンゼン、トルエン等の環境汚染物質を分解することから、バイオレメディエーションへの利用が期待されています。
そこでNITEでは、大成建設株式会社および長岡技術科学大学と共同で「RHA1を利用したバイオオーグメンテーションによる塩素化エチレン類汚染土壌及び地下水の浄化」の事業計画について、
微生物によるバイオレメディエーション利用指針(平成17年度経済産業省・環境省告示第4号)に基づく安全確認を申請し、RHA1株の安全性等が同指針に適合していることを経済産業省と環境省の合同委員会で確認されました。
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嫌気性塩素化エチレン脱塩素菌 Dehalococcoides mccartyi UCH007
塩素化エチレン類による汚染土壌・地下水の浄化において、嫌気性脱塩素菌を利用したバイオレメディエーションの適用事例が増えております。本浄化手法においては、栄養剤の添加により土着の嫌気性脱塩素菌を活性化させて浄化を行う
バイオスティミュレーション法が用いられておりますが、嫌気性脱塩素菌は増殖が遅く、加えて、中間生成物である低分子の塩素化エチレン類(cis-ジクロロエチレンや塩化ビニルモノマー)の脱塩素化反応が進みにくいため、浄化期間の長期化や
中間生成物である塩化ビニルモノマーの蓄積は、嫌気性バイオレメディエーションにおける課題となっています。
そこでNITEでは、塩素化エチレン類の嫌気的バイオレメディエーションの確実化および高速化を目指し、Dehalococcoides mccartyi UCH007株を利用したバイオオーグメンテーション法の開発を大成建設株式会社と共同で実施しております。
ゲノム解析の結果、UCH007株はTCEの脱塩素酵素であるtceA遺伝子、cis-ジクロロエチレンおよび塩化ビニルモノマーの脱塩素酵素vcrA遺伝子を有していることが明らかになっています。また、培養試験の結果から
cis-ジクロロエチレンを最終的に無害なエチレンまで脱塩素化できることが確認されております。
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