黒麹菌(Aspergillus luchuensis NBRC 4314)
独立行政法人製品評価技術基盤機構(以下NITEという)バイオテクノロジー本部では、産業上有用微生物である黒麹菌(Aspergillus awamori NBRC 4314)のゲノム解析を実施するにあたり、産業界等と塩基配列決定、遺伝子機能解析等について共同研究を開始することとし、共同研究者の公募を平成20年3月3日から平成20年3月31日まで行いました。
応募された共同研究者については、提案の内容、実績、能力等について検討を行い、独立行政法人産業技術総合研究所を代表とする共同研究グループと実施することになりました。
その概略につきましては以下の通りです。
1.研究テーマ
黒麹菌(Aspergillus luchuensis NBRC 4314)のゲノム解析に係る共同研究
2.研究目標
Aspergillus luchuensis NBRC 4314の精密なゲノム解析を行い、変異株のランダムシーケンス、比較ゲノム解析などを実施して、特徴的な性質とそれらの関連性を解明する。
また、A.oryzaeやA.niger等に存在しない新規の糖質分解酵素やタンパク質分解酵素など、新たな産業分野への利用に関する研究を行う。
Aspergillus luchuensis NBRC 4314
NITE NBRC 岡根氏 撮影
3.代表共同研究先
独立行政法人産業技術総合研究所
4.研究費用
NITE及び共同研究先が分担する。
5.研究期間
平成20年8月から
微生物の概要
Aspergillus luchuensis NBRC 4314は、黒麹菌(くろこうじきん)と呼ばれ、沖縄の泡盛の醸造に伝統的に用いられてきた糸状菌です。
近年は、九州地方を中心に焼酎の醸造にも盛んに用いられるようになってきています。
また、欧米を中心にバイオテクノロジーへの応用が期待されているA. niger(黒カビ)とも比較的近縁と言われています。
本菌は、アミラーゼ、セルラーゼ、プロテアーゼ等の分解酵素や多様な代謝物を生産することから、国内はもとより世界中で盛んに研究が行われています。
また、形質導入や遺伝子破壊などの基盤技術についても、すでにゲノム解析が行われているA. oryzaeの技術が応用できるものと見られています。
ゲノム解析を行い、A. oryzaeやA. nigerと詳細な比較を行うことによって、新たな産業用酵素の開発、発酵・バイオプロセスの開発、工業株の論理的な育種などが可能になるものと期待されます。
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