Vol.457 7月23日号 「夏に気を付けていただきたい製品事故3選」
表訂正のお知らせとお詫び
令和6年7月25日
日頃よりPSマガジンをご購読いただきまして誠にありがとうございます。
7月23日に配信いたしましたPSマガジン Vol.457「夏に気を付けていただきたい製品事故3選」の表に誤りがございました。つきましては、下記の通り訂正をさせていただきます。
ご迷惑をおかけいたしましたことを、深くお詫び申し上げます。
なお、本ページ及び添付PDFファイルは訂正済みです。
<訂正箇所>モバイルバッテリーで気を付けるポイ ント
(誤)
(正)
Vol.457 7月23日号 「夏に気を付けていただきたい製品事故3選」【PDF:460KB】
梅雨が明けいよいよ夏本番!今回は夏に気を付けていただきたい製品事故3選として、
・高温の自動車内に放置したモバイルバッテリーから出火した事故
・落として破損した携帯用扇風機(※1)のバッテリーショートによる破裂事故
・BBQで着火剤を火元に継ぎ足してやけどを負った事故
をご紹介します。
これから夏本番を迎える前に、製品事故による思わぬ被害を未然に防ぐため、事故防止のポイントを確認しましょう。
(※1)本マガジンでは、充電式の持ち運び可能な扇風機を携帯用扇風機としています。
項目一覧
- 1.夏に気を付けていただきたい製品事故3選
- 2.製品事故収集情報(6月23日~7月6日 受付88件)
- 3.その他の製品安全情報
- ・「2024年度 製品安全基本教育講座」のご案内
- ・「NITE SAFE-Lite」のご案内
- ・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について
- ・Instagram アカウントのご案内
1.夏に気を付けていただきたい製品事故3選
【モバイルバッテリーの事故】
自動車内に置いていたモバイルバッテリー付近から出火し、周辺を焼損しました。
→焼損が著しく、詳細な使用状況等が不明であり、原因の特定はできなかったが、長期使用(約8年)でリチウムイオン電池が劣化していたことに加え、高温の車内にモバイルバッテリーが置かれていたことから電池セルが異常発熱して発火した可能性が考えられます。
【モバイルバッテリーで気を付けるポイント】
○夏場、特に高温となる自動車内や、直射日光の当たる窓際などに放置しない。
日本自動車連盟(JAF)の試験によりますと、真夏の車内はかなり高温になります。車を離れるときは、モバイルバッテリーなど、リチウムイオン電池を使用している製品を車内に放置しないようにしてください。特に直射日光が当たっているとダッシュボードの上の温度は70℃を超えることがあります。
なお、事故は真夏以外でも、天気の良い暑い日に発生しています。真夏が過ぎた後であっても、車内放置は避けてください。
https://jaf.or.jp/common/safety-drive/car-learning/user-test/temperature/summer
【注目!新作動画】
○モバイルバッテリー「7.高温下に放置して発火2」
高温下に放置したモバイルバッテリーが発火した再現映像
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/20240712.html
【携帯用扇風機の事故】
充電中の扇風機付近から異音がして出火し、焼損しました。
→リチウムイオン電池が内部ショートして異常発熱し、焼損したものと考えられます。
【携帯用扇風機で気を付けるポイント】
○落とすなど、強い衝撃を与えない。
外部からの衝撃で、リチウムイオン電池内部の正極(+極)、負極(-極)を隔てる絶縁フィルム(セパレーター)が破れ、ショートすることにより異常発熱が起こり、内圧が上昇して電池が破裂・発火する場合があります。落とすなど、強い衝撃を与えないようにしてください。
〇強い衝撃を与えてしまった後に異常を感じた場合には、直ちに使用を中止する。
以下のような異常が見られたときは、直ちに使用を中止して、購入店又は製造・輸入事業者の修理窓口に相談してください。
・充電が行われない。
・充電中にこれまでよりも熱くなった。
・外装が膨張し、変形した。バッテリーパックが膨張した。
・不意に電源が切れた。
また、上記のような異常が発生した場合は、発火、破裂などの事故に備え、携帯用扇風機を金属製の缶などの保管容器に入れて保管することが望まれます。
事業者による必要な措置が取られるまでは、決してごみとして携帯用扇風機を廃棄しないでください。なお、事業者による適切な措置が取られた結果、ごみとして廃棄する場合には、お住まいの自治体の指示に従った分別等を行ってください。
●万が一、発煙・発火したときは。
消火器での消火や大量の水を掛けるなど被害の拡大を防いでください。大きな火炎により対処が困難と判断した場合は、直ちに避難するとともに119 番通報してください。
【着火剤の事故】
公園でバーベキューをしていて、一旦中断した後、再開しようと残り火があるところにゼリー状の着火剤を使用したところ、「ボン」という音がし、直後に2~3メートル離れた場所にいた女性の衣服が燃え、他の2名も軽いやけどを負いました。
→着火剤はメチルアルコールを主成分としたもので、揮発性があり引火しやすいことから、わずかな炎であっても、着火剤に火がつく前に揮発成分に引火し、続いて着火剤が急激に燃焼されることによって飛び散る等の可能性があるため、製品本体に燃焼中の継ぎ足しを禁止する旨が表示されているが、残り火がある状態で継ぎ足したため、着火剤が急激に燃焼し、飛散した炎が衣服に着火したものと考えられます。
【着火剤で気を付けるポイント】
○一度火を点けたら、着火剤の継ぎ足しをしない。
既に火が点いている炭に着火剤を継ぎ足した場合、大きな炎が上がり、やけどや火災に至る場合があります。絶対に着火剤の継ぎ足しはしないでください。特に炎天下では着火剤の炎が見えにくいため、気づいたときには重傷になることがあります。
危険な着火剤の継ぎ足しをしたことのある人は、炭・薪でのバーベキュー経験者では3割を超えるとの調査結果(※2)もあります。
(※2)消費者庁 News Release H27年7月29日 「バーベキューにおける食中毒・火傷に注意!」
バーベキューにおける食品衛生に関する消費者意識の実態調査 設問Q14
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/150729kouhyou_1.pdf
チューブ式やパウチ式の容器で販売される着火剤には、継ぎ足しを禁止する警告文が付けられているものが多いので、お使いになる前によく読んで注意して使いましょう。
○消毒用アルコールを着火剤として使用しない。
新聞紙などに消毒用のアルコールを染み込ませ着火剤として投入した場合や直接火元にアルコールをかけた場合、急激かつ爆発的に燃え上がり大変危険です。昨年5月には死亡事故も起きています。
■NITEでは2024年7月12日に注意喚起として『真夏の製品事故アラート~モバイルバッテリー・携帯用扇風機・着火剤の取扱いに注意~』をプレスリリースしました。
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2024fy/prs24071201.html
■その他の情報も併せてご参照ください。
(映像資料:リンク先で動画が視聴できますので是非ご覧下さい)
- (1) 携帯用扇風機「1.損傷したバッテリーが破裂」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/2021062401.html - (2) 着火剤「1.つぎ足しでやけど」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/2020082704.html
(注意喚起ミニポスター)
- (1) 夏に気を付けたい事故3選
https://www.nite.go.jp/data/000154787.pdf
■その他の事故事例は、「NITE SAFE-Lite」で「モバイルバッテリー」「携帯」等をキーワードに検索していただけます。
https://safe-lite.nite.go.jp/
2.製品事故収集情報
◆◆◇ 消費生活用製品の事故情報収集状況 ◇◆◆
NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。
- 1.電気掃除機 ( 火災等 5件 )
- 2.ポータブル電源 ( 火災等 4件 )
- 2.照明器具 ( 火災等 4件 )
- 4.電動アシスト自転車 ( 重傷等 3件 )
- 4.リチウム電池内蔵充電器 ( 火災等 3件 )
電気掃除機は充電中、異音がしたため確認すると、当該製品及び周辺を焼損する火災が発生していたという1件の同種事故を含み、ポータブル電源は駐車場の車両内で当該製品に電気製品を接続して使用中、当該製品及び周辺を焼損する火災が発生したという1件の同種事故を含みます。
◇最新事故情報(これまでの受付情報もご確認いただけます)
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/information/index.html
■事故情報の提供をお願いいたします。
事故の再発防止のため、有効に活用させていただきます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/shushu/index.html
4.その他の製品安全情報
◆◆◇「2024年度 製品安全基本教育講座」のご案内◇◆◆
一般社団法人KEC関西電子工業振興センター
「2024年度 製品安全基本教育講座」
- 製品安全の基本を学ぶ -
製品安全に関する最先端の規格動向が身につきます。
第1講の開催日程が変更になりました。
本講座は製品安全の基本から個別の製品についてのIEC安全規格の具体的な要求事項に加えて、IEC 62368-1や電気用品安全法の技術基準の性能規定化等の最新情報を盛り込んでいます。全講義を通して受講することにより、製品安全の基本事項を幅広く修得してもらうことを目的としています。
また、受講者の担当する製品や知識レベルに応じて、必要な講座だけを選択受講することも可能です。
【第1講 詳細】
日時:2024年9月13日(金)
製品安全の基本的な考え方と世界の製品安全法規・規制・認証制度
講師:川口 昇氏 株式会社UL Japan
内容:
1) 製品安全の基本的な考え方
1-1 安全とは
1-2 安全の基準
1-3 企業での製品安全管理
2) 世界の主要製品安全法規・規制・認証制度
2-1 欧州〔EU(LVD)、英国〕
2-2 北米〔アメリカ(CPSA、UL)、カナダ〕
2-3 アジア大洋州〔中国、インド等〕
2-4 その他の国
【詳 細】 https://www.kec.jp/img/committee/2024/anzen24.pdf
【申し込み先】 https://www.kec.jp/seminar/anzen24/
問合せ先: 一般社団法人KEC関西電子工業振興センター
専門委員会推進部 事務局 藤田 泰男
TEL:0774-29-9041 E-mail:[email protected]
◆◆◇ 「NITE SAFE-Lite」のご案内 ◇◆◆
NITE は、より安心・安全な社会になることを目指して、製品安全に関する情報を発信しており、NITE のウェブサイトで、製品事故の調査結果、リコール情報や誤使用に関する注意喚起などを提供しています。その中で、製品事故情報をどなたでも簡単にウェブ検索できるシステムとして、「NITE SAFE-Lite」というサービスを提供しています。
「NITE SAFE-Lite」は、サービス開始以来、多くの方にご活用いただいています。スマートフォンの小さな画面とタッチ操作に配慮したシンプルな操作性で、6 万件にも及ぶ製品事故情報を専門用語(例えば「異音」)でなく普段お使いの言葉(例えば「ガラガラ」)で検索できます。
「NITE SAFE-Lite」で製品事故を検索すると、同じ現象の事故だけではなく、よく似た事故情報も表示されます。これにより、様々な視点から事故となる危険性やその場合の被害状況などが「見える化」され、事故の未然防止につながります。
令和6年4月1日、「SAFE-Lite」は「事故情報検索データベース」と「リコールデータベース」を統合し、「NITE SAFE-Lite」となりました。
【NITE SAFE-Lite】
https://safe-lite.nite.go.jp/
◆◆◇ 消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について ◇◆◆
消費者庁
消費者庁は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告のあった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。
- 7/12 23件
https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_240712_01.pdf - 7/17 18件
https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_240717_01.pdf - 7/19 7件
https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_240719_01.pdf - 7/23 19件
https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_240723_01.pdf
◆◆◇ Instagram アカウントのご案内 ◇◆◆
NITEでは、公式アカウントを開設しています。
インスタグラムでも、シーズンに合わせて、皆様の生活の安全を守るためにどんどん発信していきますので、フォローやいいねをお待ちしております!
Instagramアカウント→@nite_japan
編集後記
やってきました!桃の季節が!そのまま食べてももちろん美味しいですが、生ハムとマスカルポーネと合わせて食べるのにハマっています。モッツァレラチーズで作るレシピも人気ですよね。味付けはオリーブオイルとブラックペッパーをちょろりと足すのみです。切って盛るだけの簡単料理ですがおしゃれで美味しいので、桃の食べ方に悩んだら試してみてください!(ゆ)
お問い合わせ
- 独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター 製品安全広報課
-
TEL:06-6612-2066
FAX:06-6612-1617
住所:〒559-0034 大阪市住之江区南港北1-22-16 地図