製品安全

Vol.444  1月16日号 「除雪機の事故」

 この度の能登半島地震によりお亡くなりになられた方々に深く哀悼の意を表するとともに、被災された皆さまに心よりお見舞いを申し上げます。
 NITEでは、災害復旧時に起こる可能性のある製品事故についても注意喚起させていただいておりますので、冒頭にお知らせさせていただきます。
 https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/saigai.html
 被災地域の一日も早い復旧と復興を心よりお祈り申し上げます。

Vol.444 1月16日号 「除雪機の事故」【PDF:464KB】

 小樽市など各地で局地的な大雪(どか雪)が発生しています。今冬も冬型の気圧配置の強まりで降雪量が多くなり、除雪機の稼働が増えることが予想されます。長時間の除雪作業は大変ですが、油断や過信は命取りです。除雪機は、注意事項をしっかり守って、正しく使いましょう。今回は除雪機を安全に使うためのポイントをお知らせします。

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項目一覧

  1. 1.除雪機の事故
  2. 2.製品事故収集情報(12月17日~1月6日 受付76件)
  3. 3. リコール情報 3件
  4. 4. その他の製品安全情報
    • ・「METI Journal 政策特集/価値を創る製品安全」連載開始のお知らせ
    • ・「製品安全やリコールハンドブックの概要の解説セミナー」のご案内
    • ・「蓄電池システムの安全性評価に関するNITE講座」参加者募集のお知らせ
    • ・「SAFE-Lite」のご案内
    • ・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について
    • ・Instagram アカウント開設のお知らせ

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1.除雪機の事故

【除雪機の下敷きになって死亡した事故】
 使用中の除雪機の下敷きになり、死亡しました。
→使用者が、デッドマンクラッチ機構を大きな洗濯バサミで固定して無効化したため、除雪機を後進中に転倒した際に、手を離しても除雪機の走行が停止せず、使用者に乗り上げて下敷きとなったものと考えられます。
除雪機の下敷きになった様子(イメージ)    
除雪機の下敷きになった様子(イメージ)    
 
【除雪機に巻き込まれて死亡した事故】
 除雪機を使用中、こどもがオーガ(回転部)に巻き込まれ、死亡しました。
→除雪作業の途中、使用者が除雪機のエンジンを切らずにオーガが回転したままその場を離れたため、周囲で遊んでいたこどもがオーガに接触したものと考えられます。
除雪機の近くでこどもが遊んでいる様子(イメージ)    
除雪機の近くでこどもが遊んでいる様子(イメージ)   
 
【エンジンを掛けたままの除雪機内部に手を入れて負傷した事故】
 除雪機のブロワ(投雪口)に詰まった雪を取り除く際に、左手指を負傷しました。
→使用者がエンジンを掛けたまま、付属の雪かき棒を使用せずに直接手で除去したため、回転部に触れ、事故に至ったものと考えられます。
ブロワに直接手を入れて負傷する様子(イメージ)    
ブロワに直接手を入れて負傷する様子(イメージ)    
 
【一酸化炭素中毒で死亡した事故】
 物置で除雪機のエンジンを掛けたままにして、一酸化炭素中毒で1名が死亡しました。
→使用者が十分に換気されていない屋内で除雪機のエンジンを掛けたままにしたため、排気ガスにより屋内の一酸化炭素濃度が上昇し、一酸化炭素中毒に至ったものと考えられます。
換気されていない屋内でエンジンを掛けたままにして一酸化炭素中毒になった様子(イメージ)   
換気されていない屋内でエンジンを掛けたままにして一酸化炭素中毒になった様子(イメージ)   
 
【除雪機の気を付けるポイント】
○安全機能を無効化しない。
 デッドマンクラッチ機構のクラッチレバーを固定するなどの安全機能の無効化をすると、使用者が転倒などした際に除雪機が停止せず、除雪機にひかれたり、巻き込まれたりするおそれがあります。
安全機能を無効化する様子(イメージ)    
安全機能を無効化する様子(イメージ)    
 
○エンジンを掛けたまま離れない。
 除雪機のエンジンを掛けたままその場を離れると、こどものいたずらなど、思わぬ事故につながるおそれがあります。一時的にその場を離れるときでも、必ずエンジンを切ってください。
 
○人が近くにいる時は使用しない。障害物に衝突しないよう注意する。
 除雪作業をする際は、周囲に人がいないことを確認しましょう。特に背丈の低いこどもは死角に入りやすいので、十分気を付けてください。また、後進する際は、足下や後方の障害物を事前に確認し、転倒することがないよう気を付けてください。
 
○雪詰まりを取り除く際はエンジンを切り、雪かき棒を使用する。
 エンジンを掛けたまま雪を取り除く作業を行うと、手を負傷するおそれがあります。雪が詰まった場合は、直接手で行わず、必ず備え付けの雪かき棒を使用して取り除いてください。
 
○屋内や換気の悪い場所ではエンジンを掛けたままにしない。
 作動中の除雪機の排気ガスには一酸化炭素が多く含まれています。一酸化炭素は無色・無臭で、発生に気が付きにくく、また非常に毒性の強い気体です。閉め切った屋内で除雪機のエンジンを掛けたままにすると、短時間で一酸化炭素の濃度が高くなり非常に危険です。除雪機は始動/停止も含め風通しの良い屋外で使用しましょう。エンジンを切った状態で、手で押して移動できない大型の除雪機等の場合は、窓などの開口部を開放して十分な換気が取れていることを確認してから、「屋内で始動し速やかに屋外に出る」、「屋内にしまったら速やかにエンジンを切る」などの対策をしてください。
 
■NITEでは2023年12月22日に除雪機の事故に関する注意喚起
『『ちょっとだけなら・・・』が命取り~ここ3年で急増「除雪機の事故」を防ぐためのポイント~』をプレスリリースしました。
 https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2023fy/prs231222.html
 
■その他の除雪機の事故の事故情報も併せてご参照ください。
(映像資料:リンク先で動画が視聴できますので是非ご覧下さい)   
 (1) 除雪機「6.誤使用によりオーガに巻き込まれる事故」
 https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/2021122302.html
 (2) 除雪機「7.誤使用により下敷きになる事故」
 https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/2021122303.html
 (3) 除雪機「9.雪づまりを取り除く際の注意点」
 https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/sonota/2021122305.html
 
(注意喚起ミニポスター)   
 (1) 除雪機の死角に注意
 https://www.nite.go.jp/data/000152415.pdf
 
■その他の事故事例は、「事故情報の検索」で「除雪機」等をキーワードに検索していただけます。
 https://www.nite.go.jp/jiko/jiko-db/accident/search

 

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2.製品事故収集情報

◆◆◇     消費生活用製品の事故情報収集状況     ◇◆◆
        (12月17日~1月6日 受付76件)
  NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。
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  製品名          (事故状況と件数)
  1. 1.照明器具         ( 火災等 5件 )
  2. 2.石油ストーブ       ( 軽傷等 4件 )
  3. 2.リチウム電池内蔵充電器 ( 火災等 4件 )
  4. 4.IH調理器         ( 火災等 3件 )
  5. 4.バッテリーパック    ( 火災等 3件 )
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◇最新事故情報(これまでの受付情報もご確認いただけます)
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/information/index.html

■事故情報の提供をお願いいたします。
事故の再発防止のため、有効に活用させていただきます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/shushu/index.html

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3.リコール情報

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4.その他の製品安全情報

◆◆◇ 「METI Journal 政策特集/価値を創る製品安全」連載開始のお知らせ ◇◆◆

 経済産業省が運営するウェブマガジン METI Journalにて、「価値を創る製品安全」と題し、全5回(予定)の特集記事の連載が開始しました。第1回は、「製品安全市場」の創出をテーマに、経済産業省が検討を進める制度を紹介します。第2回以降も順次公開となりますので、是非ご一読ください。

 特集ページはこちらから:https://journal.meti.go.jp/policy/202401/

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◆◆◇ 「製品安全やリコールハンドブックの概要の解説セミナー」のご案内 ◇◆◆
 
                           経済産業省 製品事故対策室
 
 経済産業省 製品安全課では、リコールハンドブックの内容をコンパクトにまとめた概要版の公表にあたり、知っておくべきポイントおよび安全対策について解説するオンラインセミナーを開催いたします。
 
【日  時】2024年1月24日(水) 14:00~15:45
【開催形式】Zoomウェビナーにて開催(完全オンライン)
【受 講 料】無料
【参加締め切り】2024年1月19日(金)
【予定プログラム】
 14:00~14:45 製品安全政策の概要、リコールハンドブック概要版の解説
  (経済産業省 産業保安グループ 製品事故対策室)
 14:45~14:55 質疑応答(※質問は参加申込時に受付)
 14:55~15:05 休憩
 15:05~15:35 リコール製品に関する安全対策、事故再現映像
(独立行政法人製品評価技術基盤機構)
 15:35~15:45 質疑応答(※質問は参加申込時に受付)
 
【詳細の掲載ページ】 
 https://www.meti.go.jp/product_safety/consumer/pdf/seminar_chirashi230124.pdf
 
【参加申込みURL】
 https://forms.office.com/pages/responsepage.aspx?id=VEVZi81pYkWlwsPdLp3MRpfkEOWPnaFGqjtP45D22pNUMU1aRFhORjRGNkFUTzNVRzlNQkY2MjhTVi4u&web=1&wdLOR=c6CA9E7B7-5DAA-49F7-9B5B-CCF54B4F7977
 
【問合せ先】
 MS&ADインターリスク総研株式会社 E-mail:[email protected]
 ※お問い合わせはメールにてお願いいたします。
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◆◆◇「蓄電池システムの安全性評価に関するNITE講座」参加者募集のお知らせ◇◆◆

 1月24日に「蓄電池システムの安全性評価に関するNITE講座」をオンラインセミナーにて、無料開催します。
本講座では、リチウムイオン電池の基礎知識からNITEが所有する”屋内型大型蓄電池システム評価施設(NLAB)”で実施可能な安全性/技術開発試験の概要、NLABで実施した安全性試験を活用して制定された世界初の定置用大型蓄電池システムの国際規格の概要と背景まで、蓄電池システムの安全性評価に関する基礎的な情報を紹介します。

 2050年カーボンニュートラルの達成に不可欠な蓄電池システムを今後も安全に使用していくためには、蓄電池システムの安全性に関する規格に基づいた試験評価を適切に実施することが重要です。皆さまのご参加をお待ちしております!

 講座名:蓄電池システムの安全性評価に関するNITE講座
 開催日時:2024年1月24日(水曜日)13:30~16:30 
 開催形態:オンライン(Webexウェビナー) 
 定員:1,000名 (定員になり次第受付を終了します) 
 対象者:こんな方々にオススメです。 
     ・企業などで蓄電池及び定置用蓄電池システム関連の業務に携わっている方
     ・今後関わる予定がある方
     ・蓄電池業界に興味を持っている学生 等
 参加費:無料(受講登録が必要です) 
 詳細・参加登録: https://www.nite.go.jp/gcet/nlab/nite-kouza_2023_nlab.html

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◆◆◇「SAFE-Lite」のご案内◇◆◆

 NITEは、より安心・安全な社会になることを目指して、製品安全に関する情報を発信しており、NITEのウェブサイトで、事故情報データベース、リコール情報や誤使用に関する注意喚起などを提供しています。その中で、製品事故情報をどなたでも簡単にウェブ検索できるシステムとして、「SAFE-Lite」というサービスを提供しています。
 「SAFE-Lite」は、サービス開始以来、多くの方にご活用いただいています。スマートフォンの小さな画面とタッチ操作に配慮したシンプルな操作性で、6万件にも及ぶ製品事故情報を専門用語(例えば「異音」)でなく普段お使いの言葉(例えば「ガラガラ」)で検索できます。
 「SAFE-Lite」で製品事故を検索すると、同じ現象の事故だけではなく、よく似た事故情報も表示されます。これにより、様々な視点から事故となる危険性やその場合の被害状況などが「見える化」され、事故の未然防止につながります。
 
 【SAFE-Lite】
 https://safe-lite.nite.go.jp

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◆◆◇ 消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について ◇◆◆

                           消費者庁

    消費者庁は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告のあった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。

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◆◆◇ Instagram アカウント開設のお知らせ ◇◆◆

 NITEでは、公式アカウントを開設しております。
 インスタグラムでも、シーズンに合わせて、皆様の生活の安全を守るためにどんどん発信していきますので、フォローやいいねをお待ちしております!

 Instagramアカウント→@nite_japan

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編集後記

 先日、北海道小樽市で24時間の降雪量が統計開始以来最多となる69センチを記録したとの報道がありました。雪に見舞われるこの時期の強い味方となるのが除雪機ですが、除雪機の事故は死亡事故の割合が高く、その多くが使用者の誤使用・不注意によるものです。誤使用・不注意の背景には、『ちょっとだけなら大丈夫』という使用者の除雪機に対する油断や過信が潜んでいます。
 NITEのHPでは実際にスキー場で撮影した除雪機の注意喚起動画を公開していますので、こちらも併せてチェックしてみてください。(ゆ)
【NITE HP】
 https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/index.html

【お知らせ】1月は第3・5火曜日発行です。

お問い合わせ

独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター  製品安全広報課
TEL:06-6612-2066  FAX:06-6612-1617
住所:〒559-0034 大阪市住之江区南港北1-22-16 地図