製品安全

Vol.418  12月13日号 「電気暖房器具の事故」

一気に寒さが増し、こたつや電気ストーブなどの電気暖房器具が欠かせない
季節になりました。毎日使うものだからこそ、使用上の注意をよく確認し、
電気暖房器具とその周囲を点検することで事故を未然に防ぎましょう。

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項目一覧

  • 1.電気暖房器具の事故
  • 2.製品事故収集情報(11月13日~12月3日 受付 109件)
  • 3.リコール情報(6件)
  • 4.その他の製品安全情報
    ・SAFE-Pro及びSAFE-Liteプロモーション動画公開のお知らせ
    ・「蓄電池システムの安全性評価に関するNITE講座@国際評価技術本部」 
     受講者募集のお知らせ
    ・「SAFE-Lite」のご案内
    ・iPod nanoの製品事故に係る定期報告
    ・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について

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1.電気暖房器具の事故

○可燃物の接触による事故
【事例1】
 こたつ布団が焦げた。

→こたつの中にこたつ布団を押し込んだため、布団がヒーターユニットに
 接触し、焦げたものと考えられます。
 なお、本体及び取扱説明書には、「布団をこたつの中に押し込んで使用
 しない」旨、記載されています。

【事例2】
 電気ストーブを使用中、電気ストーブ及び周辺を焼損する火災が発生し
 た。

→使用者が電気ストーブを通電状態のまま外出したため、電気ストーブの
 前に積み上げて置いていた衣類等の可燃物が崩れて接触した、又は放射
 熱により出火したものと考えられます。
 なお、取扱説明書には、「乾燥等の他の目的で使用しない。燃えやすい
 ものの近くで使用しない。外出するときは電源プラグをコンセントから
 抜く。火災の原因になる。」旨、記載されています。

○電源コードの損傷による事故 
【事例3】
 火災警報器が鳴動したため確認すると、こたつの電源コード部を焼損す
 る火災が発生していた。

→使用者がこたつの保管時に電源コードをヒーターユニットに巻き付けて
 いたため、電源コードに繰り返し屈曲等の外力が加わり、内部の芯線が
 断線、スパークが発生して火災に至ったものと考えられます。
 なお、取扱説明書には、「コードをねじったり、無理に引っ張ったりし
 ない。」旨、記載されています。

【事例4】
 電気ストーブを使用中、電源コードから火花が出た。

→電源プラグ側のコードプロテクター部に引っ張りや屈曲などの負荷が加
 わったことから、芯線が断線し、短絡・スパークが発生したものと考え
 られます。

○手入れ不足による事故
【事例5】
 使用中の電気ストーブ付近から出火して、周辺を焼損し、1人がやけど
 を負った。

→電源プラグを延長コードのマルチタップに長期間接続したまま放置して
 いたため、接続部にほこり等が蓄積し、トラッキング現象※1が生じて
 焼損したものと考えられます。

(※1)付着したほこりや水分によりトラック(電気の通り道)が生成され、
     異常発熱する現象。

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【こたつ、電気ストーブの気を付けるポイント】
○可燃物との近接、接触に注意する。衣類などを乾かさない。 
 こたつの中に押し込まれたこたつ布団等がヒーターユニットに接触した
 り、電気ストーブの周辺に置かれた衣類が放射熱により過熱されたりし
 たことによる火災が発生しています。
 こたつでは、座椅子や座布団などもヒーターユニットに近接していない
 か注意してください。また、電気ストーブでは、近くのカーテンが接触
 して発火した事故や、上方で乾かしていた衣類が落下して接触して発火
 した事故もあります。
 周辺の可燃物との近接、接触に注意し、衣類の乾燥には使用しないでく
 ださい。

○就寝する前に消す。
 電気ストーブをつけたまま就寝すると、寝具などの可燃物が高温部に触
 れ、発火するおそれがあり、危険です。さらに就寝中は発見が遅れやす
 く、大きな火災につながるおそれがあります。また、こたつでは低温や
 けどのおそれもあります。就寝時の使用は絶対にしないでください。

○その場を離れる時や外出時などには消す。 
 使用中にその場を離れている間に、可燃物が接触して火災が発生した事
 故があります。また、ペットが可燃物を電気ストーブの前に運んで火災
 になった事例もあります。発見が遅れ、製品のみならず周辺を焼損する
 おそれがあるため、別の部屋に移動するときや外出時など、製品から離
 れる際は電源を切り、電源プラグを抜いてください。

○電源コードを引っ張らない、折り曲げない、踏まない。 
 電源プラグと電源コードの付け根(コードプロテクター)や電源コード
 が断線し、スパークが発生し火災に至っています。
 こたつや電気ストーブを使用する際は、机(こたつ)や椅子の脚で電源
 コードを踏みつけていないか確認し、移動させたり片付けたりする際は、
 電源コードを無理に引っ張らないようにしてください。電源プラグを抜
 き差しする際は電源プラグを手で持って抜いてください。
 また、保管時には電源コードをこたつのヒーターユニットや電気ストー
 ブの本体などにきつく巻き付けないでください。電源コードの付け根や
 電源コードに負荷が加わり、断線するおそれがあります。

○電源コードの点検を行う。 
 冬シーズン開始時や毎回の使用前に電源コードの破損はないか、また使
 用中に電源コードが触れないほどに熱くなっていないか点検を行ってく
 ださい。破損や異常を確認した場合は、使用を中止してください。また、
 自分で改造や修理をしないでください。 

○定期的に清掃を行う。 
 電源プラグのほこりに注意してください。電源プラグ付近に堆積したほ
 こりでトラッキング現象が発生するおそれがあります。また、電気スト
 ーブの中にほこりなどが堆積してヒーターに接触することで発煙する事
 故や、吸気口にほこりが詰まってしまうことで異常発熱が生じる事故が
 発生しています。毎年の使用開始前に清掃を行い、シーズン中も定期的
 に清掃をしてください。

■NITEでは2022年11月24日に電気暖房器具の事故に関する注意喚起
 『冬の火災は『ゼロ距離』と『ほったらかし』に注意! ~電気暖房器具
 は使う前に点検も!~』をプレスリリースしました。
 https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2022fy/pr221124.html

■その他の電気暖房器具の事故の事故情報も併せてご参照ください。
(映像資料:リンク先で動画が視聴できますので是非ご覧下さい)
 (1)こたつ「1.布団を押し込んで発火」
   https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/01190101.html
   (2)こたつ「2 洗濯物を乾かそうとして発火」
 https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/01190102.html
 (3)電気ストーブ「2.洗濯物の接触」
 https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/01180102.html
 (4)電気ストーブ「3.ふとんの接触」
 https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/02110102.html
   (5)電気ストーブ「4.落下したタオルから発火」
   https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/17112201.html
   (6)電気ストーブ「6.消し忘れて洗濯物が接触」
   https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/2020112601.html

(注意喚起ミニポスター)   
 (1)電気こたつの事故
 https://www.nite.go.jp/data/000141177.pdf
    
■その他の事故事例は、「事故情報の検索」で「こたつ」、「電気ストーブ」
 等をキーワードに検索していただけます。
 https://www.nite.go.jp/jiko/jiko-db/accident/search/

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2.製品事故収集情報

消費生活用製品の事故情報収集状況
(11月13日~12月3日 受付 109件)
NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。

製品名        ( 事故状況と件数 )

1.洗面化粧台       ( 軽傷等 8件 )
1.バッテリー     ( 火災等 8件)
3.エアコン      ( 死亡等 4件 )
3.自転車         ( 重傷等 4件 )
3.ガストーチ       ( 軽傷等 4件 )
        


最新事故情報(これまでの受付情報もご確認いただけます)
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/information/index.html

事故情報の提供をお願いいたします。
事故の再発防止のため、有効に活用させていただきます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/shushu/index.html
 

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3.リコール情報

  • 株式会社生活の木(法人番号:9011001012165)
          「アロマ芳香器」2022/10/26(HP)
        【詳細】https://www.treeoflife.co.jp/news/info/202210269233.html
  • 株式会社ブルーラグ(法人番号:3011001062653)
          「自転車用バッグ取り付けストラップ」2022/07/31(HP)
        【詳細】https://weareopen.jp/
  • ブラザー工業株式会社(法人番号:8180001010997)
          「ACアダプター(空気清浄機用)」2022/08/29(HP)
        【詳細】https://support.brother.co.jp/j/s/support/information/ac/202208/index.html
  • 株式会社ジンズ(法人番号:7070001034752)
          「眼鏡フレーム」2022/11/02(HP)
        【詳細】https://jinsholdings.com/jp/ja/news/#tab2
  • 株式会社無限(法人番号:2120001154137)
          「マッサージ器(充電式)」2022/08/02(HP)
        【詳細】https://mmmgn.co.jp/
  • 株式会社龍屋半左衛門(法人番号:5180001037878)
          「旅行用キャリーバッグ」2022/10/28(HP)
        【詳細】https://tatsuya-hanzaemon.co.jp/recall/

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4.その他の製品安全情報

・SAFE-Pro及びSAFE-Liteプロモーション動画公開のお知らせ
 
 NITEでは、主に製造事業者やその関係者の皆様に対してリスクアセスメン
 ト支援ツール「SAFE-Pro」というサービスを提供しております。
 また、主に消費者や流通・輸入事業者の皆様に対して事故情報をどなたで
 も簡単に検索できる「SAFE-Lite」というサービスを提供しております。
 
 この度、SAFE-Pro及びSAFE-Liteのプロモーション動画をYouTubeのNITE公
 式チャンネルに公開いたしました。
 各動画は、SAFE-Pro及びSAFE-Liteの機能だけでなく活用方法なども紹介し
 ておりますので、ぜひご覧ください!
 なお、SAFE-Pro及びSAFE-Liteの各Webページからも動画をご覧いただけま
 す。
 
 【SAFE-Pro】
  YouTube動画 https://youtu.be/bznB_28k0r4
  Webページ     https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/safe-pro.html
 
 【SAFE-Lite】
  YouTube動画 https://youtu.be/N8kcyfK_1lk
  Webページ  https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/safe-lite.html
 
 皆様がSAFE-Pro及びSAFE-Liteを活用し、安全で豊かな暮らしが創出され
 ることを期待しております。
 
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・「蓄電池システムの安全性評価に関するNITE講座@国際評価技術本部」 受講者募集のお知らせ
 
 カーボンニュートラルの達成に不可欠な蓄電池システムを今後も安全に使
 用していくためには、蓄電池システムの安全性に関する規格に基づいた試
 験評価を適切に実施することが重要です。
  本講座では、企業などで蓄電池及び定置用蓄電池システム関連の業務・研
 究等に携わっている方、今後携わる予定の方を主な対象として、リチウム
 イオン電池の基礎知識からNITEが所有する”屋内型大型蓄電池システム評
 価施設(NLAB)”で実施可能な安全性/技術開発試験の概要、NLABで実施し
 た安全性試験を活用して制定された世界初の定置用大型蓄電池システムの
 国際規格の概要と背景まで、蓄電池システムの安全性評価に関する基礎的
 な情報を紹介します。
 
【日  時】2023年1月30日(月)13:30~16:20(予定)
 
【実施形態】オンラインによるライブ配信(Webexウェビナーを使用予定)
 
【定  員】1000名
 
【受 講 料】無料
 
【対 象 者】蓄電池及び蓄電池システム関連の業務・研究等に携わっている
      方、今後携わる予定の方
 
【募集期間】2023年1月30日(月)講義開始まで
 
【申込方法】以下のURLにてお申し込みください。
                  URL: https://nite.webex.com/weblink/register/r2357b231cc5789547e41d0fe87854c34
 
【講義内容】
 「1.リチウムイオン電池の基礎知識」
 リチウムイオン電池の基礎知識と、危険性について紹介します。
 
 「2.蓄電池システムの事故事例と安全国際標準 IEC62933-5-2 の概要」
 世界各地で発生している蓄電池システムの事故事例を紹介するとともに、
 蓄電池システムの安全性に関する国際標準「IEC 62933-5-2」及びその国内
 対応規格である日本産業規格「JIS C 4441」について紹介します。
 
 「3.NLABにて実施可能な試験」
 NLABで実施可能な試験について、保有する試験設備と試験例、対応可能な
 規格を紹介します。
 
 「4.NLABの技術開発試験(物性チーム)」
 産業界のニーズに応じて新規に導入した試験設備や、NLABでは実例のない
 試験を安全に実施するための技術開発・検証(物性)について、検証時に
 発生した問題点やアプローチを含めて、実例を挙げて紹介します。
 
 「5.NLABの技術開発試験(電気チーム)」
 産業界のニーズに応じて新規に導入した試験設備や、NLABでは実例のない
 試験を安全に実施するための技術開発・検証(電気)について、検証時に
 発生した問題点やアプローチを含めて、実例を挙げて紹介します。
 
 NITE講座の詳細についてはこちら↓
 
 HP:https://www.nite.go.jp/gcet/nlab/nite-kouza_2022_nlab_00001.html
 
 「NITE国際評価技術本部(GCET)とは」
 
 大型蓄電池システムやフ電気保安技術支援業務・スマート保安など、戦略
 的技術分野における、先進的な技術、知見等を活用した評価技術の開発、
 国際標準の提案、認証基盤の整備等を行っています。
 GCET NLABの紹介動画をNITE公式YouTubeから公開しております。
 https://www.youtube.com/watch?v=3sY2lu_SXmE
 
 連絡先:国際評価技術本部nite講座事務局([email protected]) 
 
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・「SAFE-Lite」のご案内      
        
 NITEは、より安心・安全な社会になることを目指して、製品安全に関する
 情報を発信してきました。NITEのウェブサイトでは、事故情報データベー
 ス、リコール情報や誤使用に関する注意喚起などを発信しています。その
 中で、製品事故情報をどなたでも簡単にウェブ検索できるシステムとして、
 「SAFE-Lite」というサービスを提供しております。
 
 「SAFE-Lite」は、サービス開始以来、多くの方にご活用いただいています。
 スマートフォンの小さな画面とタッチ操作に配慮したシンプルな操作性で、
 6万件にも及ぶ製品事故情報を専門用語(例えば「異音」)でなく普段お使
 いの言葉(例えば「ガラガラ」)で検索できます。
 
 「SAFE-Lite」で製品事故を検索すると、同じ現象の事故だけではなく、
 よく似た事故情報も表示されます。これにより、様々な視点から事故となる
 危険性やその場合の被害状況などを調べられることで、事故の未然防止に
 つながることを期待しています。
 
 【SAFE-Lite】
   https://safe-lite.nite.go.jp/
  ※「SAFE-Lite」及び「事故情報データベース」を更新しました。
   (2022年12月13日公表分までのデータを追加)
 
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・iPod nanoの製品事故に係る定期報告        
                          経済産業省
 
 令和4年11月28日付、Apple Japan合同会社(旧 アップル ジャパン株式
 会社)の経済産業省へのiPod nano(第一世代)の製品事故に係わる定
 期報告がありました。令和4年10月1日から31日までの本体・バッテリー
 交換件数は35件となっています。同社が対策を開始した平成22年8月11
 日以降の本体・バッテリー交換件数の累計は307,855件となっています。
 
 https://www.meti.go.jp/product_safety/download/kouhyou221129_2.pdf
 
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・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について 
                           消費者庁
 
  消費者庁は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告の
  あった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。
 
         11/22      9件
 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_221122_01.pdf
 
         11/25      4件
 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_221125_01.pdf
 
         11/29     15件
 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_221129_01.pdf
 
     12/2        4件
 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_221202_01.pdf
 
     12/6      25件
 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_221206_01.pdf
 
   12/9     26件
 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_221209_01.pdf

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編集後記

小学生のとき、寒い日の朝はこたつでその日着る服を温めていました。でもそ
れは危険なことだったんですね、、事故にならなくて本当によかったです。周
囲の可燃物から出火する事故がよく起きているので、皆さんも今一度、製品の
正しい使用方法を確認してみてください!

お問い合わせ

独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター  製品安全広報課
TEL:06-6612-2066  FAX:06-6612-1617
住所:〒559-0034 大阪市住之江区南港北1-22-16 地図