製品安全

Vol.43  2月23日号「併用の危険-くん蒸・くん煙殺虫剤の事故-」

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      ■■■        生活・福祉技術センター 製品安全企画課
                       http://www.jiko.nite.go.jp/

===================2007.2.23 Vol. 43====================

 少しずつ暖かい日差しが増えてきました。
普段、何気なく使っている製品の中には、併用することで危険を引き起こして
しまうものもあります。今号は、人が不在の室内に置いて使用する、くん蒸・
くん煙殺虫剤の事故をご紹介しています。事故100選は、自転車用空気入れ
の破損事故の後編です。破損によって人に被害を及ぼすと考えられる場合には、
より一層の安全上の考慮が求められます。

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                目次 
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1.製品事故収集情報 
   ・併用の危険-くん蒸・くん煙殺虫剤の事故-
   ・消費生活用製品の事故情報収集状況(2月8日~2月21日受付153件)
2.最近1ヶ月の事故情報特記ニュース(1件)
3.社告・リコール情報(27件)
4.関係機関の製品安全情報
  ・ガス機器等燃焼機器による一酸化炭素中毒事故等の防止強化策について
                              経済産業省
  ・「消費生活用製品安全法施行令の一部を改正する政令案」
   及び「消費生活用製品安全法の一部を改正する法律の施行
   期日を定める政令案」について             経済産業省
  ・事故情報の公表基準について              経済産業省
  ・ボッシュ株式会社が輸入・販売した電気衣類乾燥機、
   電気食器洗い機のリコールにかかる再社告について    経済産業省
  ・株式会社エスジーユーが輸入した電気こたつ用中間
   スイッチ付きコードのリコールに係る新聞社告等について 経済産業省
  ・リンナイ株式会社製の開放式小型湯沸器による
   一酸化炭素中毒事故の再発防止について         経済産業省
  ・全国で改正消費生活用製品安全法の説明会を開催中    経済産業省
5.事故100選
   第14回「自転車用空気入れの破損事故」(後編)
6.編集後記
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            1.製品事故収集情報
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   ◆◆◇ 併用の危険-くん蒸・くん煙殺虫剤の事故- ◇◆◆

◇「まぜるな危険」という表示をご覧になったことがあるのではないでしょう
 か。塩素系漂白剤など塩素系の製品に、酸性タイプの洗剤を混ぜると人体に
 有毒な塩素ガスが発生するため、容器に併用を禁止する表示がされています。
 このような洗剤以外にも、併用による危険があります。今回は、何気なく併
 用してしまい、思いもかけず大きな事故になってしまった事例をご紹介しま
 す。

◇まだ調査中の案件ですが、「全量噴射式くん蒸殺虫剤」と「くん煙殺虫剤」
 を併用して起きた爆発事故の通知がありました。両方とも、ダニやゴキブリ
 などを駆除する目的で販売され、人が不在の室内に置いて使用するタイプの
 ものです。事故の概要は以下のとおりです。

  ・飲食店内(約30畳)の殺虫のため、全量噴射式くん蒸殺虫剤3缶を使
   用した後に、くん煙殺虫剤を使用したところ、爆発して店内の木製扉が
   吹き飛ぶなどし、従業員が顔や手足に重傷の火傷を負いました。

◇人が不在の室内に置いて使用する殺虫剤は、大きく分けると「全量噴射式く
 ん蒸殺虫剤」と「くん煙殺虫剤」があります。 
 「全量噴射式くん蒸殺虫剤」は、可燃性ガス(DME、LPGなど)を使用
 したエアゾール製品で、薬剤を噴射させるタイプです。「霧タイプ」等の表
 示で販売されています。一方、「くん煙殺虫剤」は煙タイプで、着火する(*)
 ものと水と反応させるものがあり、今回の事故で使用されたものは、着火す
 るタイプでした。原因は調査中ですが、可燃性ガスを使用した全量噴射式く
 ん蒸殺虫剤を使った後に、着火タイプのくん煙殺虫剤を使用したため、室内
 に滞留していた可燃性ガスに着火時の火花が引火し、爆発したのではないか
 と思われます。
       (*)フタ等にある擦り板でマッチ状の頭薬をこすって着火する

◇事故時に使用していた全量噴射式くん蒸殺虫剤には火気に対する注意表示が
 あり、くん煙殺虫剤には、エアゾール製品と併用しない旨の表示がありまし
 た。今回の事故では、表示に気づかずに使ってしまったようです。このよう
 な殺虫剤の併用はあまりされないかもしれませんが、危険性の周知という点
 では、洗剤の「まぜるな危険」ほど消費者に浸透していないのではないかと
 思われます。
 全量噴射式くん蒸殺虫剤のようなエアゾール製品は、室内の密閉性や噴射さ
 れた可燃性ガスの量にもよりますが、たばこや暖房器具などの火気で、事例
 のような大きな爆発を引き起こす危険性があります。使用後は十分に換気を
 して、可燃性ガスが室内に滞留しないようにしてください。くん煙殺虫剤は、
 ガソリンや灯油など引火性のあるものがそばにないようにしてください。こ
 れらの他にも、取扱説明書の使用上の禁止、注意事項を、使用前に必ずご確
 認ください。

    ◆◆◇ 消費生活用製品(*)の事故情報収集状況 ◇◆◆ 
          (2月8日~2月21日受付153件)

 NITEに通知のあった事故の傾向を見るために、上記期間内で、収集件数
 の多い5製品を掲載しています。なお、事故原因については現在調査中です。
                  
    製品名(事故状況と件数)        [前号比(件数±)]
   ===============================================================
    1.電気ストーブ     (火災等    20件)[+ 3]
    2.石油ストーブ     (火災等    16件)[+ 4]
    3.ガスこんろ      (火災     10件)[- 6]
    4.ストーブ(*1)     (火災      8件)[- 5]
    5.石油ファンヒーター  (火災      5件)[+ 2]
     .こたつ(*2)      (火災      5件)[- 1] 

    (*)  消費生活用製品:一般消費者が生活において使用する製品。
    (*1) 石油、電気、ガス等の種別が受付時に判明していないもの
    (*2) 電気、豆炭等の種別が受付時に判明していないもの

 ◇今回は、上の5製品に入っていませんが、電気こんろの事故情報が4件あ
  りました。調査中のため事故の詳細は不明ですが、電気こんろについては、
  事故情報特記ニュース(*)で、ワンルームマンションなどに据え付けタイ
  プの電気こんろについての注意喚起をしていますので、ご紹介します。
 
 ◇注意喚起している電気こんろは、主にワンルームマンション等のミニキッ
  チンにのシンク横にビルトインされたものです。事故は、気づかない間に
  電気こんろのスイッチが入ってしまい、こんろの上に置いていた新聞紙な
  どの可燃物に引火して火災に至るもので、多発しています。
  気づかない間にスイッチが入るのは、こんろのスイッチのつまみが飛び出
  した構造で、外出する時など電気こんろの側を通った際に、身体やカバン
  などがつまみにあたってスイッチが入るためです。設置されているワンル
  ームマンション等の通路スペースが十分にないことも、その要因になって
  いるようです。可燃物を電気こんろの上に置いているのは、普段から使用
  していないため、物置きとなってしまっていたことなどにあるようです。
  例えば、火力が弱いなどの理由で電気こんろの代わりにカセットこんろを
  上に置いて使用していたケースでは、気づかない間にスイッチが入って、
  カセットこんろのボンベが加熱され、爆発に至った事例もあります。
  
 ◇このような事故を受けて、平成2年に電気用品安全法の技術基準が改正さ
  れて、容易にスイッチが入らない構造にするようになりました。しかし、
  技術基準改正以前に製造された製品で事故が起きています。業界では無償
  でスイッチつまみの改修をしています。事故情報特記ニュースをご覧いた
  だき、対象の製品を使用されていないか確認し、使用されている場合は、
  所定の連絡先にお問い合わせください。

 【詳細】(*)事故情報特記ニュースNo.63
     http://www.jiko.nite.go.jp/news/063/news63.html
 【参考】経済産業省
     http://www.meti.go.jp/press/20061128004/20061128004.html

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         2.最近1ヶ月の事故情報特記ニュース
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◇「電子レンジ加熱式湯たんぽによる加熱時の火傷事故の再発防止について
 (注意喚起)<No.79>(2007/02/06) 」
 【詳細】 http://www.jiko.nite.go.jp/news/079/news79.html

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            3.社告・リコール情報
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◇株式会社東芝「液晶テレビ用フロアスタンド」(無料交換(頭部ユニット))
 (H19/02/22)  
◇株式会社フジマック「ハロゲンヒーター」(商品回収) (H19/02/22)
◇アルインコ株式会社「大型専用脚立」(点検・修理) (H19/02/22)
◇オリンパスイメージング株式会社「フィルムカメラ」(無償予防点検・措置) 
 (H19/02/20)
◇日本ガス石油工業会「ガス機器の重大事故の公表について」(H19/02/19) 
◇大阪ガス株式会社「金網ストーブをご使用の大阪ガスのお客さまへお知らせ
 とお願い」(点検・注意喚起)(H19/02/13) 
◇リンナイ株式会社「お詫びとお願い「リンナイ開放式小型湯沸器」をご使用
 のお客様へ」(点検・注意喚起)(H19/02/12) 
◇三洋電機株式会社「鳥取三洋電機製ガスストーブご使用中の一酸化炭素中毒
 事故の防止について」(注意喚起)(H19/02/11) 
◇大阪ガス株式会社「ガス機器ご使用中の一酸化炭素中毒事故の防止について」
 (注意喚起)(H19/02/11) 
◇東京ガス株式会社「リンナイ(株)製開放式小型湯沸器(RN-405SD)
 の点検作業について」(無料点検)(H19/02/10) 
◇東京ガス株式会社「リンナイ株式会社製の開放式小型湯沸器による
 一酸化炭素中毒事故の再発防止について」(注意喚起)(H19/02/09) 
◇ヤマハ発動機株式会社「電動車イス用リチウムイオンバッテリー」
 (再自主回収)(H19/02/07)

 上記は、こちらからご覧ください。
        → http://www.jiko.nite.go.jp/index4.html 

◇ボッシュ株式会社 「電気食器洗い機/電気衣類乾燥機(再社告)」
 (無料で点検・修理)(H19/02/19)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070219c.html

◇株式会社ヤザワコーポレーション 「照明器具(クリップライト)」
 (製品回収)(H19/02/19)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070219b.html

◇吉井電気株式会社 「ハロゲンヒーター」(製品回収)(H19/02/19)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070219a.html

◇テーラーメイドゴルフ株式会社 「ゴルフクラブ」
 (製品回収・無償点検および修理)(H19/02/14)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070214c.html

◇コクヨS&T株式会社 「デスクマット(再社告)」
 (製品を回収し交換)(H19/02/14)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070214b.html

◇株式会社オーム電機 「電気あんか/セラミックヒーター」
 (商品回収)(H19/02/14)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070214a.html

◇リンナイ株式会社 「開放式小型湯沸器」(無償点検)(H19/02/12)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070212a.html

◇三洋電機株式会社/鳥取三洋電機株式会社 「ガスストーブ」
 (注意喚起)(H19/02/11)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070211.html 

◇任天堂株式会社 「家庭用ビデオゲーム機用コントローラ(再社告)」
 (無償で部品交換 (Wiiリモコン用ストラップ))(H19/02/10)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070210b.html

◇株式会社カインズ 「ホーロー製やかん・両手鍋・片手鍋」
 (商品回収)(H19/02/10)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070210a.html

◇株式会社エポラス 「折り畳み式ハンドル付フライパン・鍋」
 (ハンドルのロック部品を無償にて点検・修理)(H19/02/09)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070209.html

◇株式会社タカラトミー 「ゆたんぽ(電子レンジ用)(再社告)」
 (製品回収)(H19/02/7)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070207a.html

◇京セラ株式会社 「太陽熱温水器」(無料点検及び無料修理)(H19/02/6)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070206.html

◇株式会社カプコン「ペンダント」(代替品へ交換)(H19/02/02)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070202.html

◇象印ベビー株式会社 「歩行器」(無償修理)(H19/02/01)
【詳細】 http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20070201b.html

■━━━NITE社告・リコール情報のページ━━━━━━━━━━━━━■

 【過去1年間の社告】 http://www.jiko.nite.go.jp/index4.html
 【社告の検索】 http://www.jiko.nite.go.jp/php/shakoku/search/index.php

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           4.関係機関の製品安全情報
===================================

     ◆◆◇ ガス機器等燃焼機器による一酸化炭素  ◇◆◆
          中毒事故等の防止強化策について

 経済産業省は、2月23日、最近の開放式小型湯沸器事故や金網式ストーブ
事故等を踏まえ、ガス機器等の燃焼機器による一酸化炭素中毒事故等の防止強
化策を取りまとめ、公表しました。

【詳細】 http://www.meti.go.jp/press/20070223002/20070223002.html

◆◆◇「消費生活用製品安全法施行令の一部を改正する政令案」及び  ◇◆◆
   「消費生活用製品安全法の一部を改正する法律の施行期日を
    定める政令案」について

「消費生活用製品安全法施行令の一部を改正する政令」及び「消費生活用製品
安全法の一部を改正する法律の施行期日を定める政令」が平成19年2月23
日(金)に閣議決定されました。
経済産業省は、「消費生活用製品安全法の一部を改正する法律」(平成18年
法律第104号)による改正後の消費生活用製品安全法(昭和48年法律第31
号)(以下「新法」という。)においては、製品事故から除外する事故や重大製
品事故の要件等について新たに政令に委任することとしたため、消費生活用製
品安全法施行令(昭和49年政令第48号)(以下「令」という。)について所要
の改正を行うとともに、新法の施行期日を平成19年5月14日(月)としたこ
とを公表しました。

【詳細】 http://www.meti.go.jp/press/20070223001/20070223001.html
   
       ◆◆◇ 事故情報の公表基準について  ◇◆◆

 経済産業省は、先般のリンナイ株式会社製の開放式小型湯沸器事故等を踏ま
え、消費者保護に万全を期す観点から、情報提供体制の強化を図っています。
その一環として、同省は事故情報の公表基準を定めることとしました。

【詳細】 http://www.meti.go.jp/press/20070216002/20070216002.html

  ◆◆◇ ボッシュ株式会社が輸入・販売した電気衣類乾燥機、◇◆◆
      電気食器洗い機のリコールにかかる再社告について

 ボッシュ株式会社が輸入・販売した電気衣類乾燥機と電気食器洗い機(ビル
トイン形)において、メインターミナル部の接続不良、コンデンサーの不具合
等により、火災等の事故が発生したことから、同社は平成16年11月1日に
リコールを開始しています。しかし、その後も火災等の事故が発生し、同社は
平成18年11月1日に再社告を行って改修の向上に努めていたところですが、
再社告後においても改修の進捗率は思わしくなく、更に、未改修の電気衣類乾
燥機において、平成18年11月30日に火災事故が発生し、平成19年2月
19日に、再々度の新聞社告を掲載することになりました。経済産業省は、事
故防止の観点から、該当機種の電気衣類乾燥機と電気食器洗い機(ビルトイン
形)を使用する消費者に、使用を中止し、早急に同社が設けるフリーダイヤル
への連絡を呼びかけています。

【詳細】 http://www.meti.go.jp/press/20070216012/20070216012.html

◆◆◇ 株式会社エスジーユーが輸入した電気こたつ用中間スイッチ ◇◆◆
       付きコードのリコールに係る新聞社告等について

 株式会社エスジーユーが中国から輸入し、販売した電気こたつ用スイッチ付
きコードの一部機種において、使用中に中間スイッチ部が発熱し、樹脂が変形
するという事故が発生したことから、同社は、これまでに2回、新聞社告を行
い、無償交換に努めていたところです。しかし、社告後においても4件の事故
が発生し、同社は本年2月14日に再度の新聞社告を行いました。経済産業省
は、事故防止の観点から、該当機種を使用する消費者に、使用を中止し、早急
に同社が設けるフリーダイヤルへの連絡を呼びかけています。

【詳細】 http://www.meti.go.jp/press/20070213007/20070213007.html

   ◆◆◇ リンナイ株式会社製の開放式小型湯沸器による  ◇◆◆
        一酸化炭素中毒事故の再発防止について

 経済産業省は、2月7日に発生したリンナイ株式会社製の開放式小型湯沸器
による一酸化炭素中毒事故を踏まえ、過去の事例を調査し、同機種と類似機種
で4件の死亡または負傷事故が発生していることを確認しました。このことか
ら、開放式小型湯沸器を使用している消費者に、使用の際には必ず、確実に換
気が行われている状態を確認するよう注意喚起をしています。また、同省はリ
ンナイ株式会社に対して、早急な事故原因の究明の指示を行いました。

【詳細】 http://www.meti.go.jp/press/20070209003/20070209003.html

  ◆◆◇  全国で改正消費生活用製品安全法の説明会を開催中  ◇◆◆

 経済産業省は、「改正消費生活用製品安全法の説明会」を全国で開催してい
ます。対象は、消費生活用製品の製造事業者、輸入事業者、販売事業者、消費
者等で、参加費は無料です。改正消費生活用製品安全法の解説、質疑応答を予
定していますので、ぜひご参加ください。

    新潟  2/26(月) 朱鷺メッセ(新潟市万代島)
    神戸  3/ 5(月) 神戸市教育会館(神戸市中央区)
    名古屋 3/ 7(水) 名古屋市教育センター(名古屋市熱田区)
    京都  3/15(木) 国立京都国際会館(京都市左京区)
    札幌  3/19(月) 札幌コンベンションセンター(札幌市白石区)

     各会場 14:30~16:00

【問い合わせ先等詳細】
http://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/shouan/contents/kaisei.htm

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             5.事故100選
===================================

 NITEや試験研究機関が事故原因究明をした事例に、その事故原因が安全
な製品を設計する上などで参考となる事例が多数存在します。これらの事例を
風化させてはならないと考え、当時の状況を事故100選としてご紹介してい
ます。
      第14回「自転車用空気入れの破損事故」(後編)

◇ハンドル部の折損波面に空洞が確認されたため、X線透過装置によってハン
 ドル部を観察すると、ピストンロッドの周囲を取り囲むように空洞が存在し
 ていました。また、空洞によって肉厚が薄くなった部分に亀裂が発生してい
 ることが判りました。

◇これらのことから、製造時の成形不良によってハンドル部に大きな空洞が生
 じていたため、空洞とネジ部の間の肉厚が薄くなった部分に亀裂が発生し、
 その亀裂が繰り返し応力によって進行して、折損したものと推定されます。

◇ハンドル部にはX線を透過しない斑点が全体に存在し、ハンドル部の材料に
 微少な金属粉が混入していることも判明しました。これは、金属粉が混入し
 たリサイクル材料が使用されていることを示しています。プラスチックのリ
 サイクル材料は熱履歴による劣化や不純物の混入により、強度等に難点を生
 じる可能性があるとされており、使用材料がハンドル部の強度低下の一因に
 なった可能性も考えられます。

◇事故の主要因は、成形不良でハンドル部に空洞が発生したことにありますが、
 もし、ピストンロッドの先端を、直接ハンドルの樹脂部にねじ込む構造では
 なく、ハンドル部が破損した場合でも先端が露出しなかったら、2針も縫う
 負傷にならなかったかもしれません。JIS基準、SG基準では、ハンドル
 部が折損してしまった場合に、ピストンロッドが露出する構造は認めておら
 ず、ピストンロッドの先端は合成樹脂製のキャップなどで堅固に覆う必要が
 あるとされています。このような空気入れでは、ハンドル部が破損すると弾
 みで使用者にピストンロッドが当たることは考えられることなので、ハンド
 ル部の強度ももちろんですが、破損した場合の対策も必要だったのではない
 でしょうか。

   ☆前回までの記事はこちらです→ http://www.jiko.nite.go.jp/psm/ 

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              6.編集後記
===================================

 先日、あるメーカーの工場見学に参加させていただきました。このような見
学は初めてでしたので、興味深く拝見しました。大規模な設備に驚き、システ
ム化された見学コースも、広報面で勉強になることが多々ありました。

・・・‥‥…………………………………………………………………‥‥・・・

 ◇事故情報の検索 
  NITEのHPでは、調査が終了した事故情報を検索できます。
  http://www.jiko.nite.go.jp/php/jiko/index.html

 ◇製品の事故情報をお寄せください
  NITEでは、暮らしの中で起こった製品の事故情報を集めて調査し、
 その結果を公表して製品事故の未然・再発防止に役立てています。
 
 【事故情報収集制度概要】 http://www.jiko.nite.go.jp/index2.html
 【通知様式】 http://www.jiko.nite.go.jp/index10.html(Word版・PDF版)
 【送付先】 mailto:[email protected] Fax 06-6946-7280
  【問い合わせ先】 mailto:[email protected]

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        【編集・発行】 独立行政法人製品評価技術基盤機構
                生活・福祉技術センター 製品安全企画課

お問い合わせ

独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター  製品安全広報課
TEL:06-6612-2066  FAX:06-6612-1617
住所:〒559-0034 大阪市住之江区南港北1-22-16 地図