Vol.41  1月26日号「電気カーペットの事故」
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===================2007.1.26 Vol. 41====================
もうすぐ2月ですが、昨年に比べると暖かな日が続いています。暖冬とはい
え、暖房器具は手放せません。今回は身近な暖房器具の1つである電気カーペ
ットの事故事例をご紹介しています。事故情報特記ニュースは、前号の配信後
1件発行しました。事故100選は後編です。室内用ジャングルジム付き滑り
台に亀裂が入った原因、改良点、考慮していただきたいことが続きます。
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目次
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1.製品事故収集情報
・電気カーペットの事故
・消費生活用製品の事故情報収集状況(1月11日~1月24日受付231件)
・事故情報収集制度対象外の事故(4件)
2.最近1ヶ月の事故情報特記ニュース(1件)
3.NITEからのお知らせ
・化粧品、塗料、家庭用接着剤に含まれる化学物質情報を冊子に集約
化学物質管理センター
4.社告・リコール情報(13件)
5.事故100選
第13回「室内用ジャングルジム付き滑り台に亀裂」(後編)
6.編集後記
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1.製品事故収集情報
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◆◆◇ 電気カーペットの事故 ◇◆◆
◇石油ストーブなどの暖房器具と併用して電気カーペットをお使いの方も多い
のではないでしょうか。電気カーペットは場所も取らず、身近な製品ですが、
身近な製品になるほど、つい取扱説明書をよく読まずに誤った使い方をして
しまいがちです。今回は、消費者の誤使用や不注意による電気カーペットの
事故事例をご紹介します。
・電気カーペットを使用中、その上に置いていたテーブルの脚付近から
出火し、カーペットカバーなどを焼損。
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電気カーペットの上に置いていたテーブルの脚が、カーペットのヒー
ター線を踏みつけていたため、その部分に機械的ストレスが加わり、ヒ
ーター線が断線・短絡し、出火に至ったものと推定されます。
・木造2階建て住宅から出火して全焼し、家人1名が死亡。
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ペット用に使用していた電気カーペットの電源コードを飼い犬が噛ん
だだめ、短絡して出火したものと推定されます。
◇事例のように、重い家具を置くとヒーター線を傷めてしまうことがあります。
取扱説明書に書いてある重量以上のものをカーペットの上に置かないように
してください。同様に、季節が終わって収納する時も、カーペットを折りた
たんで他の収納物の下敷きにすると、折りたたみ部のヒーター線を傷めてし
まうおそれがあります。購入時の箱に入れるなど、折りたたみ部に負荷がか
からないように収納してください。
また、次の事例のように、ペットが電源コードを噛んで起きる事故は電気カ
ーペットに限らずにあります。飼い主が知らない間に、携帯電話の充電器に
おしっこをかけてしまい、充電器から発火した事例もありますので、ペット
のいるご家庭はご注意ください。
◆◆◇ 消費生活用製品(*)の事故情報収集状況 ◇◆◆
(1月11日~1月24日受付231件)
NITEに通知のあった事故の傾向を見るために、上記期間内で、収集件数
の多い5製品を掲載しています。なお、事故原因については現在調査中です。
製品名(事故状況と件数) [前号比(件数±)]
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1.電気ストーブ (火災等 26件)[+13]
2.石油ストーブ (火災 20件)[+ 8]
3.ガスこんろ (火災 17件)[+ 6]
4.ストーブ(*1) (火災 11件)[- 4]
5.バッテリー(携帯電話用) (破裂等 10件)[+ 5]
.石油給湯器 (火災 10件)[+ 3]
(*) 消費生活用製品:一般消費者が生活において使用する製品。
◇今回、電気ストーブが大きく増加しています。電気ストーブでは、可燃物
に引火して起きた火災に限らず、ハロゲンヒーターのガラス管が破裂した
情報もありました。ガスこんろの情報は、天ぷら火災が目立っています。
揚げ物をしている最中は、目を離さないようにしてください。
「石油給湯器」「バッテリー(携帯電話用)」の情報には社告対象品も含
まれています。また、5製品には入っていませんが、上記でご紹介した電
気カーペットが火元とみられる火災情報もありました。
(*1) 石油、電気、ガス等の種別が受付時に判明していないもの
◆◆◇ 事故情報収集制度対象外の事故(1月11日~1月24日収集) ◇◆◆
◇ダンプカーのタイヤが外れ、後続車に接触(1/6 大阪府)
走行中の大型ダンプカーの左側タイヤ1本が突然外れ、後続車の左側面に接
触した。警察では、ホイールを固定するボルト8本のうち3本が折れていたこ
とから原因を調べている。
◇エンジンをかけて停止中のタクシーから出火(1/3 福島県)
市道で、停車中のエンジンをかけたままのタクシーのエンジン付近から出火
し、全焼した。
◇住人6名がエレベーターに閉じこめられる(1/2 埼玉県)
7階建て集合住宅で、エレベーターが6階から約1メートル下りたところで
突然止まり、子ども2人と男女4人が閉じこめられた。
◇コインランドリーで乾燥機から出火(12/29 宮城県)
コインランドリーの乾燥機から出火し、乾燥機内のシーツなど5枚を焼いた。
警察では、乾燥機内が設定温度を超えたために洗濯物が発火し、乾燥機に燃え
移ったとみて原因を調べている。
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2.最近1ヶ月の事故情報特記ニュース
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◇「株式会社大旺インターナショナルジャパンが輸入・販売した電気ストーブ
(ハロゲンヒーター)に係る注意喚起ついて<No.78>(2007/01/18) 」
【詳細】 http://www.jiko.nite.go.jp/news/news78.html
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3.NITEからのお知らせ
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◆◆◇ 化粧品、塗料、家庭用接着剤に含まれる ◇◆◆
化学物質情報を冊子に集約
化学物質管理センター
NITE化学物質管理センターでは、身の回りの製品に含まれる化学物質に
ついての情報を、ホームーページ「「化学物質と上手に付き合うには」で公開
しています。この度、「化粧品」「塗料」「家庭用接着剤」について、公開中
の情報を集約し、冊子を作成しました。ホームページでPDF版をご紹介して
いますので、是非ご利用下さい。
【詳細】 http://www.safe.nite.go.jp/management/product/ProductName
本件に関する問い合わせ先: mailto:[email protected]
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4.社告・リコール情報
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◇日本トイザらス株式会社
「インラインスケート」(商品回収)(H19.1.23)
◇株式会社山善
「電気ミニマット」(無償交換)(H19.1.22)
◇株式会社グループセブ ジャパン
「電気ケトル」(無償点検)(H19.1.17)
◇株式会社ナカトミ
「エアーコンプレッサー」(商品回収) H19.1.14
◇松下電器産業株式会社
「21年~15年前のナショナルFF式石油暖房機を探しています」(H19.1.9)
◇コクヨS&T株式会社
「デスクマット(抗菌仕様)」(回収・交換)(H18.12.28)
◇日本電気株式会社/NECパーソナルプロダクツ株式会社
「液晶TV搭載デスクトップパソコン」(無償部品交換)(H18.12.18)
◇東京ガス株式会社
「シャワー付風呂釜」(無償点検・部品交換)(H18.12.12)
◇東芝機器株式会社
「電気防食電極型電気温水器」(無償点検)(H18.12.12)
◇株式会社荏原シンワ
「浴槽用電気循環浄化器(24時間風呂)」(無償点検)(H18.12.12)
◇株式会社NTTドコモ/三菱電機株式会社
「携帯電話の電池パック」(一部取替・回収)(H18.12.7)
◇株式会社ノーリツ
「石油直圧式給湯機」(無償点検・部品交換)(H18.12.5)
◇東陶機器株式会社/ 長州産業株式会社 /ネポン株式会社
「石油直圧式給湯機」(無償点検)(H18.12.4)
こちらからご覧ください→ http://www.jiko.nite.go.jp/index4.html
■━━━NITE社告・リコール情報のページ━━━━━━━━━━━━━■
【過去1年間の社告】 http://www.jiko.nite.go.jp/index4.html
【社告の検索】 http://www.jiko.nite.go.jp/php/shakoku/search/index.php
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5.事故100選
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NITEや試験研究機関が事故原因究明をした事例に、その事故原因が安全
な製品を設計する上などで参考となる事例が多数存在します。これらの事例を
風化させてはならないと考え、当時の状況を事故100選としてご紹介してい
ます。
第13回「室内用ジャングルジム付き滑り台に亀裂」(後編)
◇亀裂は子どもが滑走中に起きたため、同等品と改良品について、滑り台の耐
荷重性に問題がないか確認しました。60kgの重錘を滑走させて調べたところ、
両者に異常はみられませんでした。次に、子どもが滑り台をかけ登るなどの
衝撃によって亀裂が生じた可能性も考慮し、3.52kgの鋼球を高さ130mmから
落下させる耐衝撃テストを行ったところ、改良品には異常はありませんでし
たが、同等品では上方のゲート部とリブの境に亀裂が生じました。(以上の
テストはSG基準を参考に実施)
◇この結果、何らかの衝撃によりゲート部とリブの境に亀裂が生じ、それが徐
々に拡大したものと考えられました。そこで、事前に同等品の中央のゲート
部とリブの境に亀裂を入れ、30kg(*1)の重錘を繰り返し滑走させる荷重テス
トを行いました。100回毎に亀裂の状態を確認したところ、500回滑走させた
時点で、横方向に約2mm亀裂が拡大しました。亀裂を入れない場合は、同等
品と改良品ともに異常はありませんでした。このことから、繰り返しの荷重
がすべり台に影響を及ぼしたのではなく、衝撃により入った亀裂に繰り返し
の荷重が加わったことが原因と考えられました。
(*1) 取扱説明書に記載のある制限体重
◇事故品は、成形不良により、ゲート部とリブの境の肉厚が薄い状態(*2)であ
ったため、使用中の衝撃で亀裂が生じ、繰り返し使用するこで徐々に亀裂が
拡大し、ある程度進んだところで一挙に破損したと推定されます。また、耐
衝撃テストで同等品に亀裂が生じていることから、設計段階の強度も不足し
ていたと推定されます。 (*2) 前編参照
◇製造事業者は、プラスチック材料の流入口(ゲート)で発生する残留応力を
緩和するため、金型の形状を変更して材料の流入を安定させました。また、
亀裂部分のリブ立ての材料厚を増すよう製品の設計を改良しました。
子ども用の製品は、子どもの行動を広範囲に想定して設計する必要がありま
す。今回の事故の製品については、製造事業者の強度試験では異常なしであっ
たとの結果がありました。滑り台などは、普通の滑り方以外に、滑り台を下か
ら登るなど、滑走面に通常以上の衝撃がかかる可能性は十分あり、それを想定
した強度試験が必要だったのではないでしょうか。
☆前回までの記事はこちらです→ http://www.jiko.nite.go.jp/psm/
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6.編集後記
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今回、電気カーペットの事故をご紹介しました。以前に、電気カーペットの
収納方法について電気の担当者から聞いて以来、気をつけて収納しています。
つい、自分のやり方で収納してしまいがちですが、製品の取扱説明書にある収
納方法は確認の必要がありますね。
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◇事故情報の検索
NITEのHPでは、調査が終了した事故情報を検索できます。
http://www.jiko.nite.go.jp/php/jiko/index.html
◇製品の事故情報をお寄せください
NITEでは、暮らしの中で起こった製品の事故情報を集めて調査し、
その結果を公表して製品事故の未然・再発防止に役立てています。
【事故情報収集制度概要】 http://www.jiko.nite.go.jp/index2.html
【通知様式】 http://www.jiko.nite.go.jp/index10.html(Word版・PDF版)
【送付先】 mailto:[email protected] Fax 06-6946-7280
【問い合わせ先】 mailto:[email protected]
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【編集・発行】 独立行政法人製品評価技術基盤機構
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