製品安全

Vol.40  1月12日号「カセットこんろの事故」

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 ■    ◆========= 製品安全情報マガジン(PSマガジン)========== 
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 ■   ■■■       お届けします。    (隔週金曜日発行)
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         ■ 独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE・ナイト)
      ■■■        生活・福祉技術センター 製品安全企画課
                       http://www.jiko.nite.go.jp/

===================2007.1.12 Vol. 40====================

 新年明けましておめでとうございます。本年最初のPSマガジンをお送りい
たします。本年もよろしくお願い申し上げます。

 昨年は、例年以上に製品安全に関わる報道がなされた年であったように思わ
れます。NITEにとっては、いかに製品安全の確保に貢献してゆくのかが問
われつづけた一年であったといえます。FF式石油温風暖房機に係る事故の原
因究明調査、誤使用事故防止シンポジウムの開催、生活安全ジャーナルの発行、
事故リスク情報分析室の新設、製品安全総点検週間の経済産業省との共催、過
去最多の事故情報特記ニュースの発行、国際連携等々。
 まだまだ多くの課題が残されていますが、NITEは今後も製品安全に積極
的に取り組んでまいります。

 PSマガジンでは、皆様にお伝えしなければいけないこと、知っていただき
たいことを中心として、新鮮な内容をタイムリーに配信いたします。紙面につ
いても若干のリニューアルを行いました。今後ともご支援の程、よろしくお願
い申し上げます。

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                目次 
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1.製品事故収集情報 
   ・カセットこんろの事故
   ・消費生活用製品の事故情報収集状況(12月25日~1月5日受付158件)
   ・事故情報収集制度対象外の事故(該当なし)
2.最近1ヶ月の事故情報特記ニュース(5件)
3.NITEからのお知らせ
   ・平成17年度市場モニタリングテスト結果に「サングラス」と
    「スカート」を追加
4.社告・リコール情報(4件)
5.関係機関の製品安全情報
   ・松下電器産業株式会社に対する緊急命令による定期報告終了について
                              経済産業省
   ・パロマ工業株式会社製瞬間湯沸器による一酸化炭素中毒事故の
    再発防止について(第21報)            経済産業省
6.事故100選 第13回「室内用ジャングルジム付き滑り台に亀裂」
7.編集後記
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           1.製品事故情報収集情報
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        ◆◆◇ カセットこんろの事故 ◇◆◆
 
◇寒くなって、鍋物が美味しい季節になりました。ご家庭でカセットこんろを
 使われることもあるのではないでしょうか。今回は、カセットこんろに関連
 した、消費者の不注意、誤使用による事故をご紹介します。

 ・マンションの一室でカセットこんろが爆発し、家人が顔に火傷を負いまし
  た。
  -----------------------------------------------------------------
 →石油ストーブの上にカセットこんろを置いたまま、石油ストーブに点火
  したため、ボンベが過熱し、爆発したと推定されます。

 ・台所の二口こんろの一方のバーナーになべをかけて煮物をし、着火して
  いない方のバーナーの五徳の上にのせたカセットこんろで焼き肉をして
  いました。すると突然カセットこんろのボンベが破裂して引火し、そば
  にいた家人が顔面、頸部及び左手前腕部に1~2度の火傷を負いました。
  -----------------------------------------------------------------
 →煮物なべを熱していたバーナーのふく射熱によって、カセットこんろの
  ボンベが熱せられたため、破裂して引火したものと推定されます。 

 ・集合住宅の一室でカセットこんろのボンベが爆発し、男児が負傷しまし
  た。
  -----------------------------------------------------------------
 →カセットこんろを上にのせたままオーブントースターを使用したため、
  ボンベが過熱され、爆発したものと推定されます。

◇カセットこんろの事故は、ボンベの爆発で周囲の人が火傷するなど、人に被
 害に及ぶことも少なくありません。事例のように、暖房器具など熱源の上に、
 ついうっかり置いてしまうこともあります。取り扱いには、注意表示等をよ
 く読み、十分ご注意ください。

     ◆◆◇ 消費生活用製品(*)の事故情報収集状況 ◇◆◆ 
          (12月25日~1月5日受付158件)

 NITEに通知のあった事故の傾向を見るために、上記期間内で、収集件数
 の多い5製品を掲載しています。なお、事故原因については現在調査中です。
                  
    製品名(事故状況と件数)        [前号比(件数±)]
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   1.ストーブ             (火災等   15件)[+10]
   2.電気ストーブ           (火災等   13件)[- 5]
   3.石油ストーブ          (火災等   12件)[-13]
   4.ガスこんろ           (火災    11件)[+ 4]
   5.四輪自動車            (火災等    9件)[+ 4]

   (*)  消費生活用製品:一般消費者が生活において使用する製品。

◇今回、電気ストーブと石油ストーブが前回に比べ減少していますが、代わり
 にストーブが増加しています。「ストーブ」は、石油、電気、ガス等の種別
 が受付段階で判明していない暫定の品名で、今後、品名が石油ストーブ、電
 気ストーブ等に変わる可能性のあるものです。件数の多い5製品には入って
 いませんが、まきストーブ、石油ファンヒーター、電気カーペット、こたつ
 などの暖房器具も通知があります。この季節はくれぐれもご注意ください。
 NITEからも注意喚起を行っておりますのでご参考にしてください。 
  ・「石油ストーブや石油ファンヒーターを使用するにあたって」
    http://www.jiko.nite.go.jp/news/news53.html
  ・「電気ストーブなどを使用するにあたって」
    http://www.jiko.nite.go.jp/news/news54.html
 
 また、上記でご紹介したカセットこんろの爆発事故も1件通知されています。

 ◆◆◇ 事故情報収集制度対象外の事故(12月25日~1月5日収集) ◇◆◆

 今回は該当がありませんでした。

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         2.最近1ヶ月の事故情報特記ニュース
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◇「電気ストーブのリコール情報と使用上の注意について<No.77>」
     http://www.jiko.nite.go.jp/news/news77.html
◇「株式会社優が輸入・販売した電気ストーブ(ハロゲンヒーター)について
 (第2報)<No.76>」
     http://www.jiko.nite.go.jp/news/news76.html 
◇「電気ストーブ(ハロゲンヒータ)の事故について(注意喚起)<No.75>」
     http://www.jiko.nite.go.jp/news/news75.html 
◇「水泳パンツによる皮膚の挟み込み事故について(注意喚起)<No.74>」
     http://www.jiko.nite.go.jp/news/news74.html 
◇「デスクマットによる皮膚障害事故について(注意喚起)<No.73>」
     http://www.jiko.nite.go.jp/news/news73.html

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           3.NITEからのお知らせ
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  ◆◆◇ 平成17年度市場モニタリングテスト結果に ◇◆◆
       「サングラス」と「スカート」を追加

 家庭用品品質表示法の対象商品である以下の2製品について、法令の遵守状
況を調査するため試買テストを行い、その結果を公表しました。

   ・「サングラス」(雑貨工業品品質表示規程)
   ・「スカート」 (繊維製品品質表示規程)

【詳細】 http://www.tech.nite.go.jp/monitor/index.html   

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            4.社告・リコール情報
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 次号より、最近1ヶ月間にNITEのホームページにUPされた情報を
 記載予定です。

◇株式会社ソフト99コーポレーション
 「自動車用非金属タイヤチェーン(再社告)」(2006/11/28)
    http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20061128a.html

◇オンキヨー株式会社「ヘッドホン(コードレス)」(2006/11/21)
    http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20061121.html

◇高須産業株式会社「換気扇」(2006/11/10)
    http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20061110.html

◇ゲートウェイ社「ノートパソコン用バッテリー」(2006/10/24)
    http://www.nite.go.jp/jiko/shakoku_index/20061024.html

■━━━NITE社告・リコール情報のページ━━━━━━━━━━━━━■

 【過去1年間の社告】 http://www.jiko.nite.go.jp/index4.html
 【社告の検索】 http://www.jiko.nite.go.jp/php/shakoku/search/index.php

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           5.関係機関の製品安全情報
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   ◆◆◇ 松下電器産業株式会社に対する緊急命令 ◇◆◆
         による定期報告終了について

 経済産業省は、緊急命令に基づく定期報告を求める期間である1年が経過し
たため、松下電器産業株式会社の回収及び点検・改修や周知活動の実施状況に
ついて、緊急命令による定期報告は終了し、当分の間、行政指導による報告を
求め、引き続き周知活動等を注視していくこととした旨を公表しました。

【詳細】 http://www.meti.go.jp/press/20061227002/20061227002.html

  ◆◆◇ パロマ工業株式会社製瞬間湯沸器による一酸化炭素 ◇◆◆
        中毒事故の再発防止について(第21報)

 経済産業省は、パロマ工業株式会社製の半密閉式瞬間湯沸器による一酸化炭
素中毒事故の再発防止策について、同社から受けた昨年末時点での対象機器の
点検・回収の状況報告を公表しました。また、昨年12月に同社から報告のあ
った「半密閉式ガス瞬間湯沸器による一酸化炭素中毒死傷事故事故処理対策取
りまとめ報告書」について、同省は、当分の間、同報告書に記載のある再発防
止策の進捗につき定期的に報告することを指示し、併せて、実効性の点で不十
分な部分に対し、追加的に報告するよう指示しました。

【詳細】 http://www.meti.go.jp/press/20070110005/20070110005.html

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             6.事故100選
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 NITEや試験研究機関が事故原因究明をした事例に、その事故原因が安全
な製品を設計する上などで参考となる事例が多数存在します。これらの事例を
風化させてはならないと考え、当時の状況を事故100選としてご紹介するこ
とにしました。

    第13回「室内用ジャングルジム付き滑り台に亀裂」(前編)

◇1997年、幼児が室内用のジャングルジム付き滑り台で遊んでいたところ、
 滑り台の滑走面に亀裂が入る事故がありました。滑り台はプラスチック製で
 長さ約1045mm、幅約355mm、厚さ約3.3mm。使用していた幼児は体重約14kg。
 週5~6日ほどの使用で、購入後約3ヶ月のことでした。

◇事故が起きた製品(以下、事故品)を観察すると、亀裂は滑走面のほぼ中央
 の位置に、真横に約320mm入っていました。また、滑走面の裏側の縦方向に
 3ヶ所あるゲート部のうち、中央の1つと亀裂箇所は同じでした。ゲート部
 とは、ここではプラスチックを成形するときに、材料の樹脂を金型に流し入
 れる注入口があった部分を指しています。

◇亀裂の破面を観察すると、波紋状に広がる模様(マクロストライエーション)
 が表れていました。この模様は荷重が繰り返しかかることなどによって現れ
 ます。そのため、滑り台の繰り返しの使用で徐々に亀裂が拡大していったも
 のと考えられました。 

◇事故品は、前年に改良品に設計変更されていたため、テストでは、事故品、
 改良品、同等品(改良品を事故品と同形状に加工したもの。以下、同等品)
 を用いました。まず、事故品と改良品を比べると、改良品は、滑走面の裏側
 に縦方向に入っていた従前のリブに加えて、ゲート部周辺に円状のリブ等を
 追加していました。リブとは、ここでは滑走面の強度を持たせ、ソリを防ぐ
 ために用いる補強部分を指しています。さらに、事故品は、改良品に比べる
 と、ゲート部とリブの境の肉厚が、約2分の1の厚さの箇所があることがわ
 かりました。
                            (後編に続く)

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              7.編集後記
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 新年、明けましておめでとうございます。今号からPSマガジンを少しリニ
ューアルいたしました。今年の目標として、迅速にわかりやすくを心がけたい
と思っております。昨年と同様、引き続きご愛読いただきますよう、お願い申
し上げます。

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 ◇事故情報の検索 
  NITEのHPでは、調査が終了した事故情報を検索できます。
  http://www.jiko.nite.go.jp/php/jiko/index.html

 ◇製品の事故情報をお寄せください
  NITEでは、暮らしの中で起こった製品の事故情報を集めて調査し、
 その結果を公表して製品事故の未然・再発防止に役立てています。
 
 【事故情報収集制度概要】 http://www.jiko.nite.go.jp/index2.html
 【通知様式】 http://www.jiko.nite.go.jp/index10.html(Word版・PDF版)
 【送付先】 mailto:[email protected] Fax 06-6946-7280
  【問い合わせ先】 mailto:[email protected]

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        【編集・発行】 独立行政法人製品評価技術基盤機構
                生活・福祉技術センター 製品安全企画課

お問い合わせ

独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター  製品安全広報課
TEL:06-6612-2066  FAX:06-6612-1617
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