排出量データの活用方法
- 1.排出量データの表示方法
- 2.メッシュコードをxy座標に変換する方法
- 3.排出量データを平面(xy座標)計算する方法
- 4.xy座標をメッシュコードに変換する方法
- 5.GISソフトウエアでメッシュコードに対応した値を表示する方法
1.排出量データの表示方法
GISソフトウエアなどにより、データをcsv形式などで出力させることができます。
また、排出量マップのダウンロード用データ(シェープファイル)にはdbfのファイルが含まれており、dbfファイルはExcelなどにより表示することができます。
出力データには、属性情報で示された情報が含まれています。
排出量マップのダウンロード用データは、3次メッシュ(約1km x 約1km)、5倍メッシュ(約5km x 約5km)のメッシュ(エリア)ごとのデータで構成されています。
それぞれのメッシュはJIS X 0410(地域メッシュコード)に基づく8桁のコードで緯度、経度が決められています。
排出量マップダウンロード用データ
2.メッシュコードをxy座標に変換する方法
3次メッシ、5倍メッシュはJIS X 0410に基づき、緯度経度に対応したメッシュコードが付けられています。
あるメッシュにおける排出量について拡散の計算をする場合は、メッシュコードのままでは扱いづらいため、次の方法でメッシュコードをxy座標の連続値に変換して、計算しやすくすることができます。
3次メッシュコード、5倍メッシュコードは、8桁の数値で構成されていますので、
N1N2N3N4N5N6N7N8と定義します。
これを次の変換式により、(x,y)(経度、緯度)座標の連続値で表すことができます。
3次メッシュコードの場合:
(x, y) = (N3N4 * 80 + N6 * 10 +N8, N1N2 * 80 + N5 * 10 + N7)
* 数字が大きい場合は、(x, y) = (N3N4 * 80 + N6 * 10 +N8 - n1n2n3n4, N1N2 * 80 + N5 * 10 + N7 - n5n6n7n8) などとすれば小さい値になります。
5倍メッシュコードの場合:
(x, y) = (N3N4 * 16 + N6 *2 + N8 /5, N1N2 * 16 + N5 * 2 + N7 / 5)
* 数字が大きい場合は、(x, y) = (N3N4 * 16 + N6 *2 + N8 /5 - n1n2n3n4, N1N2 * 16 + N5 * 2 + N7 / 5 - n5n6n7n8) などとすれば小さい値になります。
3次メッシュコード、5倍メッシュコードのxy座標変換例を下図に示します。。
メッシュコードからxy座標変換の例
3.排出量データを平面(xy座標)計算する方法
xy座標を利用すると、ある排出源となるメッシュ(x0, y0)の排出量に対応したある距離におけるメッシュ(x, y)の値は、次の式により求めることができます。
For x = x0 - xr to x0 + xr
For y = y0 - yr to y0 + yr
F(x,y) = モデル計算式
ここで、xrはx方向の計算範囲、yrはy方向の計算範囲です。
排出源が複数となる場合は、排出源数に対応した計算が必要であり、また、同じメッシュ(x,y)の値を加算する必要があります。
モデル計算した例を示します。
排出量マップの例
排出量データからの計算結果をマップ表示した例
4.xy座標をメッシュコードに変換する方法
xy座標からメッシュコードに変換する方法は、次のとおりです。
3次メッシュ:
(x // 80) * 10000 + (('x % 80) // 10) *100 + ((x % 80) % 10) + (y // 80) * 1000000 + ((y % 80) // 10) * 1000 + ((y % 80) % 10) * 10
5倍メッシュ:
(x // 16) * 10000 + ((x % 16) // 2) * 100 + ((x % 16) % 2) * 5 + (y // 16) * 1000000 + ((y % 16) // 2) * 1000 + ((y % 16) % 2) }5 * 10
ここで、x // y とは、x と y の商を切り下げたもの、x % y とは、x / y の剰余です。
5.GISソフトウエアでメッシュコードに対応した値を表示する方法
GISソフトウエアにメッシュコードによる座標表示ができない場合は、WKT (Well-known Text) 形式に変換することによりGISソフトウエアで表示させることができます。
メッシュをWKT形式で表すと、POLYGON((x1 y1, x1 y2, x2 y2, x2 y2, x1 y1)) となります。
3次メッシュ、5倍メッシュの8桁のメッシュコードをN1N2N3N4N5N6N7N8とした場合、x1(西側), x2(東側), y1(南側), y2(北側) は次の式で変換できます。
3次メッシュコード | 変換式 |
---|---|
x1 (西側) | N3N4 + 100 + N6 * 1 / 8 + N8 * 1 / 8 / 10 |
x2 (東側) | N3N4 + 100 + N6 * 1 / 8 + (N8 + 1) * 1 / 8 / 10 |
y1 (南側) | N1N2 / 1.5 + N5 * 2 / 3 / 8 + N7 * 2 / 3 / 8 / 10 |
y2 (北側) | N1N2 / 1.5 + N5 * 2 / 3 / 8 +(N7 + 1) * 2 / 3 / 8 / 10 |
5倍メッシュコード | 変換式 |
---|---|
x1 (西側) | N3N4 + 100 + N6 * 1 / 8 + N8 * 1 / 8 / 10 |
x2 (東側) | N3N4 + 100 + N6 * 1 / 8 + (N8 + 5) * 1 / 8 / 10 |
y1 (南側) | N1N2 / 1.5 +N5 * 2 / 3 / 8 + N7 * 2 / 3 / 8 / 10 |
y2 (北側) | N1N2 / 1.5 +N5 * 2/ 3 / 8 + (N7 + 5) * 2 / 3 / 8 / 10 |
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